「日本一低い山」と聞いて、どんな場所を想像しますか?「それってもう丘じゃないの?」と思ってしまうほどの低さでも、れっきとした“山”として認められている場所が日本には存在します。この記事では、標高わずか0メートルから20メートルほどの山たちをランキング形式でご紹介。低すぎて逆に気になる、そんなユニークな山々の魅力や楽しみ方、そして知っているとちょっと自慢できる豆知識まで、まとめてチェックできます。
この記事でわかること
- 日本一低い山の最新ランキングTOP10
- 各山の標高・場所・特徴
- 自然の山と人工の山の違い
- 旅行や話のネタに使える低山情報
日本一低い山ランキングトップ10とは?その魅力と注目理由
日本で「山」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは富士山などの高くて雄大な山々でしょう。ところが今、ちょっとした話題になっているのが「日本一低い山」たちです。「そんなの丘じゃないの?」と思うかもしれませんが、実はれっきとした“山”として認定されているものも少なくありません。
この記事では、そんなユニークな存在「日本一低い山ランキングトップ10」について掘り下げます。驚くほど低いのに、しっかり名前があり、地域の人々に親しまれている山ばかりです。
山の標高と聞くと、アウトドアや登山好きの人が興味を持つ内容と思われがちですが、実は「低い山」は旅行のついでに立ち寄れる気軽さや、ユニークな話題性があることでじわじわと人気を集めています。特に「0メートルの山」と聞けば、誰でも思わず「えっ?」と反応してしまうもの。
「山=高い」の常識を覆す、日本の“低すぎる山”たちのランキング。なぜこのようなランキングが注目されているのか、まずはその理由から見ていきましょう。
そもそも「日本一低い山」って何?
「日本一低い山」という言葉を聞いて、「え?それ丘じゃないの?」と思う人は少なくありません。実際に“山”の定義はあいまいで、国土地理院による明確な基準は存在しません。ただし、ある条件を満たしていることで「地図上に山として記載」されることがあります。
一例としては、三角点が設置されていたり、地元で長年「〇〇山」と呼ばれていたりするものが該当します。つまり標高の高さだけでなく、地域の認知度や歴史、文化的背景も重要視されているのです。
この定義のあいまいさが、「どこが本当に日本一低いのか?」という議論を呼ぶ理由にもなっています。
どうして低いのに“山”なの?
標高が数メートル、場合によっては0メートルでも“山”と呼ばれる理由は、地形や人工構造、そして地元の人々の呼び名にあります。たとえば、ある人工的な盛土が、地元では古くから「〇〇山」として親しまれてきた場合、その名前は地図にも残り、「山」として扱われることがあります。
また、過去に存在していたが自然災害や工事で一部削られた山も、記録上ではそのままの名前が残っている場合があり、その結果“低い山”としてランクインしてくるケースもあります。
要するに、山であるかどうかは、物理的な高さ以上に「名前と存在意義」によって決まっていることが多いのです。
ランキングに使われる基準とは?
「日本一低い山ランキング」は、その多くが標高の数値をもとに作成されていますが、実はランキングによって基準が微妙に異なる場合があります。
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一部は自然の山に限定
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一部は人工の築山も含める
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地図に記載されていることを条件にする場合も
さらに、津波などで山が削られて標高が変わった例もあり、最新の調査によって順位が入れ替わることもあります。例えば、以前は2位だった山が震災の復旧で再び1位になった、という事例もあるほどです。
つまり、このランキングは「高さ」だけでなく、「最新データ」「記録の根拠」「地元の扱い」なども含めた複合的な要素で構成されているのです。
実在する日本一低い山ランキングトップ10を一挙紹介!
ランキング形式で紹介するこの章では、「えっ、これが山!?」と驚いてしまうような日本一低い山たちを標高順にご紹介します。これらの山は、標高だけでなくその成り立ちや地元での親しまれ方にも注目です。登山というより、まさに“散歩”感覚で気軽に訪れられる場所ばかり。旅行や雑学のネタにも最適です。
それでは、ランキング第1位からどうぞ!
第1位:大潟富士(秋田県/標高0m)
日本一低い山ランキングの堂々第1位は、秋田県にある「大潟富士」。なんと標高は0メートル!
この山は干拓地である大潟村に人工的に造られた築山で、富士山にちなんで名付けられたのが「大潟富士」です。
一見すると公園の小さな盛土のようですが、れっきとした“山”として認定され、国土地理院の地形図にも記載されています。階段で数秒で登頂できてしまうというユニークさが話題で、訪れた人には“登山証明書”が発行されるサービスもあるとか。
第2位:抹香山(宮城県/標高3m)
続いて第2位は、宮城県にある「抹香山(まっこうやま)」。標高3メートルというこれまた驚きの低さで知られています。地元では津波被害の復旧過程で整備された人工の山で、震災復興のシンボルの一つとして存在しています。
この山の特徴は、地元の子どもたちが気軽に遊べるよう整備されたこと。その存在自体が地域の復興と結びついており、ただ低いだけではなく、「意味のある山」として語られることが多いです。
また、「山」と呼ぶことで土地への愛着や再生への思いが込められているのが印象的です。
第3位:天保山(大阪府/標高4.53m)
第3位は大阪市港区にある「天保山」。標高4.53メートルで、かつては「日本一低い山」として話題になっていました。人工的に造られた山で、周囲には天保山公園や大阪港、海遊館など観光スポットが多く存在しています。
実際に登ってみると、数歩で登頂できる程度の高さですが、天保山にも“登頂証明書”が発行されているのが特徴。しかも登山会まで存在しており、「日本一敷居の低い登山」としてテレビなどでも取り上げられています。
名前の由来は、江戸時代の天保年間に作られた築山であることから。「山の定義って何?」と改めて考えさせられる場所でもあります。
第4位:弁天山(徳島県/標高6.1m)
第4位にランクインしたのは、徳島市にある「弁天山」。標高は6.1メートルで、こちらは自然の山としては日本で最も低いとされる存在です。人工的に築かれた山ではなく、自然の地形がそのまま残っているという点が特徴的。
この弁天山には、山頂に弁財天が祀られており、地元では「信仰の山」としても親しまれています。山のふもとには登山口が設けられており、正式な登山ルートもあります。とはいえ、登山というよりは“坂道を少し上る”程度の感覚です。
自然の山でこれだけ低いというのは非常に珍しく、訪れた人からは「これが山!?」と驚きの声が上がることも。徳島観光のちょっとした立ち寄りスポットとしても人気です。
第5位:蘇鉄山(大阪府/標高7m)
大阪府堺市にある「蘇鉄山(そてつやま)」が第5位。標高は7メートルで、こちらは公園内にある人工の築山です。名前の由来は、山の上に「ソテツ」という植物が植えられていることから。ユニークなのは、そのソテツが枯れかけた際に鉄釘を打ち込んだという、ちょっとした民話のような話が残っている点です。
「登山」という言葉を使うには気が引けるくらいの低さですが、地元ではれっきとした“山”として認知されており、「日本百低山」にも登録されています。
堺市を訪れる機会があれば、「日本一低い“百名山”」としてぜひ立ち寄ってみたいスポットのひとつです。
第6位:日和山(宮城県/標高11m ※震災後復旧)
一時期、「日本一低い山」として公式認定されていた日和山(ひよりやま)。宮城県仙台市の沿岸部にあり、東日本大震災による津波で標高が大きく変わったことで話題になりました。震災後は一時的に標高3mとなり、最も低いとされた時期もありますが、現在は11メートルに復旧されています。
日和山の特徴は、古くから地元の人々の信仰の対象となっていたこと。山頂には日和山神社があり、海の安全を祈願する場としても大切にされています。
津波と復旧、そして祈りの象徴としての役割を持つこの山は、単なる“低さ”以上の意味を持っている特別な存在です。
第7位:聖天山(兵庫県/標高13.2m)
第7位は兵庫県明石市にある「聖天山(しょうてんやま)」。標高は13.2メートルで、周囲は住宅街に囲まれており、地域の人々の生活と密接に関わっている“身近な山”です。
山頂には聖天神社があり、地元では古くから祭りや行事が行われる場として親しまれています。登山というより、散歩の途中でふらっと立ち寄れる感覚。階段やベンチも整備されていて、年配の方や子ども連れでも安心して楽しめます。
地域に根付いた信仰と日常の風景が融合する、まさに「暮らしの中の山」という表現がぴったりの存在です。
第8位:御山(石川県/標高17m)
第8位は石川県金沢市にある「御山(おやま)」。標高は17メートル。もともとは加賀藩の城下町として発展してきた金沢の中で、歴史的にも地理的にも興味深い位置にあります。
山というより丘のような見た目ですが、古くから地元では“御山”と呼ばれ、自然の地形がそのまま残っている貴重な存在です。現在は一部が史跡として整備され、観光客にも立ち寄られるスポットとなっています。
小さな山ながらも、歴史を感じることができる魅力があります。
第9位:高取山(神奈川県/標高18.7m)
神奈川県横須賀市にある「高取山(たかとりやま)」が第9位。標高は18.7メートルで、見た目は完全に公園の丘といった印象ですが、れっきとした“山”として扱われています。
この山は住宅地に囲まれており、地域の子どもたちの遊び場や散歩コースとしても活用されています。地元では季節の行事の舞台にもなっており、「高さ」よりも「人とのつながり」を感じさせる場所です。
標高こそ低いものの、「自分の町に山がある」という特別感を感じさせてくれる存在です。
第10位:天神山(東京都/標高20.7m)
ランキング最後、第10位は東京都葛飾区にある「天神山」。標高は20.7メートルで、23区内にある“山”としてはかなり珍しい存在です。
山頂には「葛西神社」が鎮座し、江戸時代からの歴史を感じることができます。都心からアクセスがよく、気軽に登れる低山ハイキングとしても注目されています。
住宅街のすぐそばにありながら、境内には静かな時間が流れていて、都会の喧騒を離れてリフレッシュするのにも最適な場所。散歩の延長で“登山”体験ができる、ユニークなスポットです。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 「日本一低い山」は、実は人工や自然を含めて多彩な種類がある
- 第1位の「大潟富士」は標高0メートルという衝撃の低さ
- 標高が低くても正式に「山」として認定されている例が多い
- 三角点や信仰など、地元の文化と結びついた山も存在
- 自然災害後に復旧された山もランキングに含まれている
- 観光地化されている場所では「登頂証明書」がもらえることも
- 自然の山と人工の山は、成り立ちや目的に違いがある
- 地元の人々にとっては日常に根差した大切な存在
- 都市部でも気軽に登れる低山は健康づくりにも◎
- 低山にも独自の魅力と歴史があり、話のネタにもぴったり
これらの山々は、見た目こそ控えめですが、地域の歴史や文化、自然との関わりを垣間見ることができる貴重な存在です。「高い=すごい」という常識を覆し、「小さくても価値がある」ことを教えてくれます。
ぜひあなたも、次のお出かけ先に“日本一低い山”を加えてみてください。新しい視点で旅がもっと楽しくなるはずです。